tumitate’s blog

投資について、北前船発祥地の本間家の2人から考えました

北前船物語第3回

 

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 酒田沖には、北前船が500隻以上が待機していたと言われ、交易で潤い「西の堺、東の酒田」と呼ばれていた事は広く知られています。

中でも本間家は「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」とうたわれる程繁昌していました。

 この俗謡に謳われるような存在になったのは3代目光丘(1733-1801)が本間家の家督を継いでから五十年かけて成し遂げたものでした。本間家は、北前船交易で、最上平野に産する米・藍・漆晒、蝋、紅花等を大阪方面に回漕し、帰船には同地方の既製品・古着などを積込んできて販売し巨額の富を得ていました。

  その資金で土地を買い続けやがて日本一の地主にもなります。また金融業にも力いれ、低利で返済も長期で、藩の借金の借り換えにも超低利で協力していたようです。時間をかけて着実に事業を伸ばしていき、その影響力はやがて東北諸藩全体に及ぶようになっていました。

 それは「自分を活かし、他人を活かし、地域も活かす」本間家の理念が基本にあったからでした。本間家が一番時間をかけたものに、光丘の代に私財をもって酒田西浜に砂防のため始めた植林事業があり、それは代々受け継がれ大正時代まで100年以上もつづられていました。

 本間家の二人の生き方から、資産形成の視点でこれを考えると宗久より、相場に手を出す事を嫌い、地道に時間をかけ着実に家業を展開していった光丘の手法が参考になります。

 それは前回の話につながますが、長期にわたり毎月積み立てをしていくもので、その代表に401K確定拠出年金があります。この年金制度は2017年1月から拡充され、これまで加入できなかった公務員や家庭の主婦、勤め先に企業年金がある会社員等約2600万人の20歳から60歳までのほぼすべての働き世代の人が新たに加入できるようになりました。

 今回の改正は税制上の優遇措置が一番のポイントで、掛金全額が所得控除の対象になり、運用益にも課税されない事です。これが「イデコ」と呼ばれるもので、ある生保の試算によると、課税所得500万円の会社員の方が毎月2万3,000円の掛金を積み立てた場合、年間82200円(所得税と住民税の合算)のお得になり、その期間が最大で40年も続き、所得が多いい人は更に税が軽減されます。

 ただ運用資産は60歳まで引き出す事が出来ませんが、60歳以降に年金または、一時金で受け取る場合どちらにも、税制上の優遇措置があります。次回に続く

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本間家旧本邸(薬医門)

(写真は本間家旧本邸の協力を頂いて掲載しています)